ヒースローから羽田へ。
長いフライトを終え、午前中に日本の空気を吸う。
まずは都内の自宅に荷物を置き、ひと息……つく間もなく、足は勝手に電車へと向かっている。
行き先は、横浜・鶴見。
「わざわざ帰国初日に、都内から横浜くんだりまで行くの?」
と人は言うかもしれない。
でも、私にとってこれは「帰国儀式(ルーティン)」なのだ。
日本に戻ったら、絶対に1回は食べなければ終わらない。
今年3月に帰国した時も、当然のように暖簾をくぐった。
目的はひとつ。家系ラーメン「鶴見家本店」。

📌 Quick Info(店舗基本情報)
| 項目 | 詳細 |
| 📍 エリア | 神奈川・横浜(鶴見) |
| 📅 訪問年月 | 2026年10月 |
| 🍴 ジャンル | 家系ラーメン |
| 🌟 評価 | ★4.5 / 5.0 |
| 💰 予算目安 | 昼・夜 ¥800〜¥1,200 |
| 📝 注文スタイル | 入口の券売機で食券購入(現金のみ) |
| 🌐 対応言語 | 日本語メイン(シンプルな券売機スタイル) |
| 🪑 席タイプ | カウンターメイン |
| 🧳 雰囲気 | 活気のある街のラーメン店(昔より格段に清潔) |
💴 券売機という、変わらない手触り
お店のドアを開ける前に、まずは入口の券売機に向かう。
キャッシュレス全盛の現代にあって、ここは「現金のみ(Cash Only)」。
財布からお札を取り出し、吸い込ませる。
この指先の感覚すら、帰国の実感をじわじわと手繰り寄せてくれる。
店内を見渡すと、昔ながらの街のラーメン屋さんの活気。
かれこれ20年近く通っている身からすれば、店は随分と綺麗になった。
昔は床もテーブルも油で少しペタペタしていたものだが(それも味わいだったけれど)、今は女性一人でもすっと入りやすい、清潔感のある空間に整っている。
時代とともに、店も優しく進化している。
🍱 いただいたお料理
豚骨醤油ラーメン(お好み:油少なめ / 生姜マシマシ)
メニューを開くまでもない。
私はこれ以外、頼んだことがない。
「豚骨醤油以外勝たん。」
家系ならではの、味の好み(麺の硬さ・味の濃さ・油の量)を選べるシステム。
若かりし頃は「全部乗せ」を頼み、濃厚なスープを力任せに完食していた。
けれど、大人女子の今は少しお作法が変わる。
カスタマイズは、「油少なめ、生姜マシマシ」。

「油少なめ」とは言え、そこは家系。大人女子の胃袋には十分すぎるほど濃厚で、パンチのあるスープだ。
そこに、カウンターの卓上にある生姜を思い切り投入する。
濃厚な豚骨醤油の旨味の濁流に、生姜のシャープな辛みと爽やかさが突き刺さる。
重厚なのに、後味がどこか潔い。このバランスがたまらない。
トッピングも、今はプラスしても味玉(卵)くらいが丁度いい。
(最近は野菜多めバージョンや、ミニラーメンサイズも登場していて、自分の胃袋と相談できる余白が増えたのが実に嬉しい。)
パンに囲まれたロンドン生活から一転、この濃厚なスープと太麺を口に運ぶ瞬間。
体にじんわりと染み渡る。「ああ、日本に帰ってきたな」と、胃袋から実感が湧き上がってくる。
💭 Final Thoughts / 帰り道
評価は、文句なしの ★4.5。
「再訪する?」という問いは、愚問だ。
再訪どころか、これは私の人生のルーティン(確定枠)。
20年という年月の中で、自分の体調や年齢とともに食べ方は「全部乗せ」から「油少なめ・生姜マシ」へと変わった。
けれど、あのスープの一口目の感動だけは、昔も今も何一つ変わらない。
帰り道
店を出ると、鶴見の風が少し肌寒く頬をなでた。
口の中に残る、甘やかな豚骨醤油と生姜の余韻。
わざわざ電車を乗り継いできた甲斐は、いつだって十二分にある。
胃袋を満たし、また少し大人になった自分で、東京へ戻る電車に乗り込んだ。


